隠岐の島町都万目にあった民家を隠岐郷土館隣接地に移築・都万目の民家
2023年06月05日
都万目の民家は、隠岐の島町都万目にあった民家を、隠岐郷土館隣接地に昭和48(1973)年に移築したものです。本来は江戸時代の終わりごろに建てられ、隠岐の伝統的な大型民家の特徴を持ち、内部の造りから当時の生活を知ることができます。
家は正面に向かって左手(西側)が正手となり、右手(東側)の部屋をより日常的に使いました。正面にある3つの出入口は西側から安物、第一台、英方と呼び、用途によって使い分けました。
最も奥にあるカミノマは冠婚発祭といった行事で使い、特別な客をもてなしました。シモノマは玄関に面しているため、ここで来客の応対もしましたが、寝室としても使いました。ナカノマはチャンマとも呼び、風行要を家族で配む日常的な生活の部屋でした。ヒヤは寝室でしたが、柱には神棚もあります。
ナカエでは炊事や食事をしましたが、近代の生活にあわせて、内部に障子がつけられるなど変化しました。土間はニワとも呼び、大戸口に面し、簡単な応対や、農作業などをしました。一部をイタバとするなど、生活にあわせた変化がありますが、天井の種抜きや、味噌・漢物などを納める塩場があり、本来の形に近い姿をしています。屋根は茅葺きで、碳風日を木通格子で飾っています。
昭和49(1974)年12月27日、島根県指定有形民俗文化財となっています。
Photo Canon EOS 5D Mark IV
R5.5.5
住所: 島根県隠岐郡隠岐の島町郡615-1