長屋王邸跡（奈良市）

商業施設「ミ・ナーラ」のあるこの場所は、奈良時代の初めに、正二位左大臣であった長屋王の邸宅があった場所です。奈良時代（8世紀）の初めに、正二位左大臣であった長屋王の邸宅があった場所です。
昭和61（1986）年から発掘調査が行われ、昭和63（1988）年に大量の木が出士し、長屋王の邸宅であることがわかりました。
長屋王の父は天武天皇の長男高市皇子、母は天智天皇の娘御名部皇女で、王の麦は元明天皇の娘吉備内親王でした。右大臣藤原不比等の死後、国政の中心人物となりましたが、神亀6（729）年に謀反の疑いにより自刃においこまれました。
長屋王の邸宅は平城宮の東南に隣接し、平城京左京三条二坊一・二・七・八坪の4坪分を占め、約6万mもの広さがありました。内部は王の住居地区、王家の事務所地区、使用人住居地区など、数プロックに塀で区画されていました。
長屋王の住居は面積360mの掘立柱建物で、天皇の住居である平城宮内裏正殿に準ずる広さがありました。
長屋王の邸宅東部の井戸やごみ捨て穴からは、約4万点もの木簡が出士しました。これらの木簡は王家の事務書類で、王に仕えた人々と役所のこと、王家を支えた経済的基盤のこと、王家の豪華な食生活のこと、犬・馬・鶴を飼っていたこと等が記され、奈良時代の高級貴族の生活を理解するうえで貴重な史料となっています。

Photo　Canon EOS 5D Mark Ⅳ
R5.7.8
住所: 奈良県奈良市二条大路南１丁目３−１