2024年04月25日
世界記録291m
スキージャンプ日本代表の小林陵侑選手がスポンサーである「レッドブル」のサポートを受けてジャンプの飛距離の世界記録に挑戦、その距離はなんと291mには驚きました。
冬に行われるFIS主催のスキーワールドカップ大会が欧州を中心に実施されますが、この291mが何故、世界記録かと言うとシャンツェ(ジャンプ台)が、その飛距離まで飛べるモノが無いからですね。大体、飛距離が200mを超えるのはフライングヒルと言われるシャンツェなんですが、そのヒルサイズ(飛距離)は選手の安全を考え、大体250mを目処にジャンプ台の滑降距離を調整します。着地地点に赤線と青線があると思いますが、赤線がフライングヒルサイズの「K点」と言われる基準点となります。その基準点まで飛ばないとポイントが減少されます。(スキージャンプの競技規則)そして青線はこれまでの飛距離世界記録のラインだと思います。それを見事に超えていますね。「K点」は基準点と言いましたが、同時にこれ以上飛ぶと危険という意味合いもあります。一応、ヒルサイズラインというのがあり、上記はあくまで規則上、ヒルサイズラインは実際に行う競技で「これ以上は飛ぶな」とされるラインです。
この動画のジャンプ台は正規のシャンツェではないのですが、そのジャンプ台角度と踏み切る瞬間の速度を約120km/Hに調整し、後は前方からの向かい風次第では遠くに飛べる事が出来ます。ですが、そうは言っても291mの間の飛行時間が桁違いですので、その長時間の間は飛行姿勢を維持するのは例えワールドカップ大会選手でも無理があります。それを超えた精神力と集中力で小林陵侑選手は世界記録を作ったとも言えますね。動画からは飛行中の選手とヒルサイズとの高低差が約5mくらいに維持しているのを見ると、多分、FIS(世界スキー連盟)の競技規則にのっとり実施したと思います。
ワールドカップ大会ではノーマルヒル、ラージヒル、フライングヒルとありますが、特に危険なのはフライングヒルは横風を防ぐ意味でも防風フェンスが張られる事があります。とは言ってもフライングヒル大会は、そのヒルサイズの箇所が欧州でも少ないので大体3大会くらいしか行われません。因みに冬季オリンピックでのジャンプヒルサイズはノーマルヒルとラージヒルの二種となります。
小林陵侑選手はワールドカップ大会で個人チャンピオンを2回制覇しているし、年末年始に行われる「ジャンプ週間」でグランドスラムした事もあるので欧州では知らない人は居ないと思います。因みに「ジャンプ週間」で欧州人以外で制覇したのは小林陵侑選手のみとなります。
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Posted at
2024/04/25 23:10:14
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