製造会社 Prova Designs Ltd
生産国 イギリス Unit 11B/Olive Mill, Olive Lane 現在は倒産し会社はありません
車種名 プローバカウンタック <プローバ社製カウンタック>
プローバカウンタックってご存知でしょうか?日本のTVでは1995年ごろイギリスのキットカーの特集番組で紹介されたの初めてです。
プローバデザイン社のキットカーは、主にイギリス、ドイツ、北米向けを狙った個人向けカスタムキットカーで、日本国内でも10台くらいしか生存していません。ほとんどはイギリスからの輸入車です。少ない資料から翻訳を交えて紹介させていただきます。
80年代後半、、、プローバデザイン社はイギリスのキットカーのメーカーとしてDarwen city UKに設立した小さなレストア会社です。主に行っていた事業はイタリアから輸出されたランボルギーニ社のウラッコ、ミウラ、カウンタック等のイギリス向けの輸出国での修理や、イギリス製FRPボディのロータスヨーロッパやオールドレンジローバーのカスタム、修理やレストア行っていました。
プローバデザイン社の工員の中にはランボルギーニで働いていた社員(ボディー組み立てを行っていた)もおり、そこでプローバ社は自分たちの技術を利用し、イタリアのランボルギーニ社のミウラやカウンタックの実車からFRPで型取りコピーし、同じパイプ製法(専用冶具でのパイプフレーム)で組み立てキットを販売する方針を打ちたてました。比較的意匠権の甘いイギリスならではの商売でしょうか?
プローバデザイン社はランボルギーニと同じ製法のパイプ式フレームの冶具を作れる工員とFRPで修理や成型できる技術を融合し、ミウラの外装を丸ごとFRPコピーし、パイプフレーム作成し、その他、周辺の内装部品やオプションのパーツなどはランボルギーニ社の本物のウインドガラスやメーター、スイッチなど本物部品を使用し、パッケージキットとして販売を開始しました。
しかし当時はまだ個人で組み立てる技術には無理があった様で、キットの注文をもらっても組み立てできない個人ユーザーもいることから、プローバ社が組み立ての下請け工場を数社選定し、運営していました。北米向けミラージュ(UK)、北欧向けはシエナ(ドイツ)、後にプローバ直系のブライトウエル(UK)を紹介し、販売する事になりました。ミラージュとシエナは左ハンドルを製造し、ブライトウエルは右ハンドルを製造していました。
2000年ごろ、プローバ社倒産後、下請け会社に型が渡り、ミラージュ、シエナでの製造販売、ブライトウエルは連鎖倒産、、、またそこから外装の型が流れて、コピーが行われ、シェイカー(オーストラリア販売代理店)、カウンテス(オーストラリア製造元)、ユーロワークス(USA)、で完成車のみの販売を行っていました。現在はカウンテス社とユーロワークスのみ営業しているみたいですが、輸入安全規制で日本国内には輸入は出来ないみたいです。ユーロワークスはカウンタックのレプリカホイール(カンパニョロ、OZレーシング)のレプリカも販売しています。
車としての完成度は、本家のカウンタック500S、クアトロ5000の外装をコピーし、本家と同じパイプフレームで立ち上げ、エンジンレイアウトも本物と同じ様にミッション逆置きで作られています。プローバデザイン社のキットでは1994年までに製造された前期(イタリア製カウンタック500Sのコピー)と後期(北米向けクワトロ5000S) 1995年~1996年製造があり、前期はエンジンブロックがシェビーV8 5000ccアルピーヌルV6ターボのミッション逆置き4速、後期レンジローバーV8 3520cc アルピーヌルノーミッション逆置き5速が世に送り出されています。私が所有しているプローバは後期のおそらく最後に日本に輸入された1996年輸入の固体みたいです。
プローバデザイン社カウンタックは、スーパーセブンのように部品一式が送られてきて、自分で組み立てて乗る製品です。とにかく本物そっくりです。ガルウイングドアの取り付けのヒンジまで同じです。パッケージで組み立てると基本的に、本物と同じに出来るのですが、作ったビルダーの指向や制作技術レベルによって現存する完成車のレベルは様々です。
なかにはエンジンパワーバルジの上にFRPが落ちてこないように橋桁のように柱がついている物もありましたし、左右対称でない物もありました。
ドアがちゃんと閉まっていないものは、閉めたときに下から見るとずれているのが解ります。これを直すのは以外と難しくてここがいやで手放す人も少なくないようです。またバキューム式のリトラクタブルライトがちゃんとスムーズにポップアップしない個体もあります。
プローバデザイン社の下請けで製造された固体は、内装を仕上げるのが苦手なビルダーの方もいるようで、一見どれも本物と同じ内装なのですが、質感というか、仕上げというか、作りは様々で個性?が出ているみたいです。日本で中古車として販売PR写真では本物に似たような物なのに、乗ってみると全くの別物のような錯覚を感じることがあるみたいです。プローバカウンタックを買う人は内装の善し悪しで所有する喜びがずいぶん違いますから、悩むときは運転席に座って悩むと良いかも知れません(笑)。しかし既に売約済みになっている場合があるみたいです。
プローバカウンタックを見分けるにはシフトゲートを見ると速いです。
本物との見分けの付き方は、一般的にこのシフトゲートの有無とトランクとエンジンフードのオープナーの場所のようです(エンジンフードを開けたり、下からのぞき込んでミッションを見てもばれますが)が、オープナーはフィアットX1/9のものと同じですので、こだわって流用してついている固体もあります。オープナーは運転席側にはサイドシェルにあり、エンジンフードとフロントトランクで、助手席側のサイドシェルにはリアトランクのオープナーのある無しで判断できます。
プローバデザイン社のカウンタックには前期型(イタリア仕様500S)後期型(イタリア仕様88クワトロ)があり、後期型はシフトリンクゲージがミッションカバーから後ろにつきだしていたり、前期型はラジエターが片方だけだとか、色々な仕様があるみたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
参考資料(ネット検索およびオーナー、販売会社様より)
レプリカ製造会社情報 ネットより
プローバデザインインク(UK) Prova Designs Ltd
ブライトウエル社(UK) Brightwheel replicas
ミラージュ社(UK) Mirage replicas タイプSプローバ タイプKフィエロ
シエナ社(ドイツ) Sienna Cars
シェイカー社(オーストラリア) 販売会社 Countess Mouldings社
ユーロワークス(USA)ミラージュの型で製造 ブラボー、カンパのレプリカホイールカが有名
その他独自のレプリカカウンタック(販売会社からの情報)
ポンティアックフィエロのカウンタック(USA) フロリダ地区の製造
アメリカン・ファイバーグラス社製(USA) ボディーのみの販売
ノーブル社製(UK) LP400(ペリコ付き) やミウラのコピーボディの販売
みんカラ友からの所有者情報
黒カウンテス様 NG製カウンテス黒色を所有
Countachn様 NG製カウンテスガンメタ色を所有
ファラ王様 USA製フィエロカウンタック赤色を所有
ドーベル様 USA製フィエロベースアニバーサリー赤色を所有
レプリカ欲しい様 USA製フィエロベーステスタロッサ赤色を所有
ゆきこ姫様 USA製フィエロカウンタック赤色を所有
Ezapon様 NG製カウンテス黄色を所有
Maronco様 USA製フィエロベースアニバーサリー赤色を所有
プローバ社カウンタック国内生存情報
福岡県 初期型1台 大分県 初期型1台 愛媛県 初期型1台 大阪府 後期型1台
愛知県後期型2台(1台はブライトウエル社) 静岡県 後期型 1台 東京都 前期型 1台
埼玉県 前期型(エンジン換装) 1台
カウンテス生存情報
愛媛県 白 1台 岡山県 黒1台 埼玉県 黒1台 福島県 ガンメタ1台