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さて…帰るか
私は代車コロナに颯爽と乗り込む


ゴギ！


あだっ！！


見事に頭をぶつけた
私は普段通りに乗り込もうとしてしまった
これは車高の高い車じゃない
２０年前の車だ


シビックもカリーナＥＤ/コロナＥＸＩＶもプレセアもペルソナもマリノ/セレスなどが活躍した年代…
ワイド＆ローがまだ最前線で戦えた時代


大抵のセダンも低めだった


ガー！！


やかましいエンジン音である
新旧の差はあるが日産の１.５リッターは静かだからなぁ
ティーダは静かだった…
まぁ２０年は大きいよな…逆に２０年前の車に負けるようではお先真っ暗とも言えるがね


こいつは標準的なトヨタのハイメカツインカム版１.５リッター
カローラ辺りにはピッタリなものだが
コロナはカローラより大きいので
やや力が足りないか？
本来なら１.８リッターが基準になるからなぁ…


振動騒音バリバリです
エンジンルームを見るとスカスカだ
初代型ハリアーの２.２リッターを思い出させる…


しかし頭が軽いから交差点なんかはヒラッと曲がる！
普段頭の重い車に乗っているからなのか
ズモモモモッと曲がる感覚がないから
新鮮だった


我が家のフィット君に乗った時もそうだったが
対抗してくる山車やミニバンの威圧感は凄い…


普段は何とも思わないのだが
コロナに乗っていると 何となく圧力を感じる…
これは私も気を付けないとな！
自分では感じなくても相手には無用な圧力を与えている可能性がある


ＥＣＴはパワーとマニュアルがあったが
想像通りパワーは変速パターンが変わり
より高い回転域まで持っていくが…
別に出力がアップする訳ではない
マニュアルとあるけど…
自動で変速したぞ…何か意味があるのか



ただ こちらの古い４速の方が
我がマシーンの５速より良かった気がする
あの変なトルク抜けが無かったもの


ちょっと暑いからとエアコンを作動させる


ガタガタガタガタ！


強烈な振動が襲う！


うっ！？なんだ！
エアコンが停止するとエンジンは普通になる


エアコン入れてアイドルダウンか…
なかなか凝っているではないの
いつエンストするかわからない
緊張感を保ちながら運転出来る訳だ


ガソリンの油量計がアバウトなのもいいねぇ！
約のラインさえ分かればよい
正確な量など分からなくても支障はない
むしろアバウトだからこそ
ギリギリまで粘るのが怖くなるからな
不用意なガス欠を防ぐ！！


やはりインパネなんかは時代を感じる
今では軽自動車にも液晶部があるが
コロナには全くない
灰皿は標準装備されている
今の時代灰皿は別体のオプション扱いだ


喫煙家には厳しい時代だな…


ヘッドライトは異様にクリアだ…多分１回交換しているんだな
ボディはザラついている
代車だからな…維持管理はそこまでやらんか…


２０年…


技術や常識
変わるものなんだねぇ…

我がマシーンが車検のため
いつも懇意にしている工場に検査入院した
まぁ…悪いトコはないであろう…と


希望的観測ではあるが


さて…毎回楽しませてくれるのが
代車だ


新車販売する各メーカーのディーラーならば結構程度の良い
場合によっては新車に匹敵するようなものまで用意する


だがここは小さな整備工場
そんな良いタマがあるならば 販売に回すのが常であろう
代車はたいていガタガタの車である


…私はシビックが多かったな


床からニョキッと生えたシフト！
エアコンなどぬるい装備は無い！
パワーウィンドウなんてナンパなものは考慮されてなどいない！
音系はもちろん漢(おとこ)のラジオ１択！


まさしくスパルタン仕様！
いやはや何とも潔い車なのだ！！
ストリートを自在に駆る硬派な漢(おとこ)がオーナーだったであろう事は
想像にかたくない…


だが…ハッチを開けてトランクを見ると
何と！！少女漫画が出てきたではないか！
社長に聞いたら…若い女性が最終オーナーだったという！


凄い…漢(おとこ)も二の足を踏みそうなスパルタン仕様なのに…若い女性とは…
しかも前タイヤはハイグリップ
後ろタイヤはすっぺった(すり減った)スタッドレスという
これまた強烈貧乏スパルタン仕様！！


工場長は 前さえきっちりしてりゃ後ろは何だっていいんだよ！はははは！
…だそうな


イチバン印象的な代車だった
そしてイチバン面白い車だった
出力は並みだったが とにかく軽い
しかも速いペースでわざと突っ込んでも 姿勢を崩すことなくカーブを曲がって行った


当時私は初代型ハリアーに乗っていたのだが…同じスピードで曲がれと言われても
無理だな
軽くて重心が低いのは凄いものだった


かつて乗っていたトレノを彷彿とさせた…
いや…このシビックの方が余計な快適装備も無かったから より軽かったはずだ
トレノよりも軽快感は上だっただろう


もちろん我がトレノはスーパーチャージャー版だったから
カーブからの立ち上がりとか
直線なんかはトレノが上だ
軽快にヒラリヒラリとカーブを抜けるのはシビックが上かなぁ…ってね


所詮しろーとの感覚だから真に受けてはダメよ☆

以降もシビックが続いた
真っ赤な３ドアハッチバック
３ステージＶＴＥＣの奴！
ＡＴだったがなかなか良かった


そのあとはマーチとミラージュだったかな…？


そして！今回は！
真っ白な４ドア！！端正なスタイル！！
トヨタ コロナだ！！！


現在生産しているプレミオの前身であるな


かつては日産ブルーバードとの激しい闘争を繰り広げた車だ
しかしブルーバードはシルフィに
コロナはプレミオにブランドを譲った


これぞ日本の標準的４ドアセダンを地でいく車！
昔は結構走っていたのだが
今は全く見ない…


ミニバンがファミリーカーになってしまったから…
『普通』『標準的』
では見向きもされなくなっちゃったんだなぁ…


マークX級以上じゃないとなかなか売れない…それでも苦戦する高級モデルはある
逆に よりコンパクトで価格の安いカローラってすげーんだな…
同級他車はことごとく死亡しているのに
孤軍奮闘だな


ティーダラティオも出た当初は
カローラ以上の商品力で一気に行くか！？と思ったけど…
あの腰高感が…なぁ
ハッチバックがメインでなかば強引にトランクを付けたみたいで


ヴィッツに無理やりトランクつけたプラッツを彷彿とさせたなぁ…


セダン 特に小型はどうしてもデザインが難しい…広さを確保するために
イビツなスタイルになりやすい


コロナはそれらよりはやや大きい車体だからね…
でも…何にもトピックがないんだよなぁ
可もなく不可もなくを具現化した車だな


まぁこの先私のマシーンにはなる事はないだろうから
短時間ではあるが…じっくりとお世話になるかな

ついに来てしまった…
我がマシーンと おさらばする時が！！


思えば長いようで短い日々だったな…


別れがあれば出会いもある
さらば！我がマシーンよ！！
また会う日まで…


と…感傷にひたっていたら
う～ん 時間かかるかも
最近重なってねぇ…


くっ…一体何日我がマシーンと別れねばならないのか！？
今私は懇意にしている車屋さんにいた


日本で車を所有する限り 絶対例外のない制度『車検』
我がマシーンも車検の時期になった


法定点検や税金 整備費用
しかも今年はタイヤまで！


私のひと月分のお給金が粉々にケシ飛ぶ勢いだ
いや…すでにオーバーしているかもしれん
計算すらするのが恐ろしい！！


全く不足する事の無いトルク感
合流や追い越し時 全くストレスなく加速する出力
巡航時の静粛性 不快な振動もなく圧迫感の無い室内


だが！これらと引き換えに
膨大な維持費諸経費がかかるのだ
６リッターを超えるオイル！
リッター６㎞の極悪燃費
イレギュラーとはいえサイズの少なさから来る高額のタイヤ代
保険料やら税金やら！！


無駄なお金と見るか…夢とストレスない後悔の無いカーライフを買ったと見るか
それはその人の考えひとつさ！



私は後者を選んだのだから！
経費のかかる車を選んだのは自分なんだから！仕方がないのだ！
いつも夢ばかりみていてはダメさ
こういう現実も必要なんだよ


さて…代車は何かしら？


もちろん新しい車とかは期待していないぜ？ここはディーラーじゃないんだもの
そんな良いタマがあるなら販売に回すでしょ？


さて…今年はなんだ？？

我がシャドー＆ディープ㈱に新しい人が入ってきた


年齢は私より上である
人生酸いも甘いも私よりも数多く経験してきたであろう方だ


しかし当然ながら我々の仕事は初めてである
まずは段取りから帳簿類へと記入やら
基本的な事から始めてもらい
やがて主力の業務へとステップアップしてもらう算段なのだ


順調に仕事をこなしていく
入っては辞め入っては辞めを繰り返されたこちらとしては
真面目だし一生懸命覚えようとする姿勢には感動すら覚える
いや 本来ならば当たり前の事なんだが
それだけ最近は酷すぎたんだな


世の中順風満帆で行くと
待ち受ける落とし穴もまた大きく深い場合がある


慣れないうちはかなり慎重にやるので
基本的なミスは意外と少ない
しかし慣れはじめると
チェックが甘くなったり
はしょったりする訳だ


ついにその時がきてしまった


新しく来た人はやらかしてしまった
何しろ客商売である
お客様に不利益を被らせるのは絶対に避けなければならない


まぁ今回のは…お客様に対する不利益はほとんど無いと言って良い
しかしクレームが来てしまった以上
一応はお宅へてま謝罪に向かう
上司と新人さんの２人でだ


とりあえずお客様は謝罪など必要ないと言い 怒る様子も無かったそうな
延々とわめき散らす腐れきった奴もいたりするから


しかし…順風満帆な時ほど
落とし穴は大きく深いもの


しばらくは分からなかったが
ある時 同じ部署で働く女性の方が
『この前のアレ…ネットで広まっているよ？』


そう教えてくれた


何！？いや確かにこちらのミスはあった
しかしそんな…謝罪に行った時も全く問題無く大丈夫だと言っていたという
私の上司もそう言っていた


私は詳しい事はわからなかった


その女性に聞くと


おっさんが２人が来てペコペコして
マジウケる～
的なものらしい
その主と職場の女性は知り合いみたいだが
別に親しい訳でもないらしい


絵に描いたような性悪…


あぁ…そっち系のろくでなしだったか
上司も新人さんも謝り損だったな
職場の女性も最初はそれなりの付き合いがあったらしいが
その性根の悪さに辟易して
ゆっくりと悟られないように交流をやめていったみたいだ


どの程度世の中に拡散してしまったのか分からないが
インターネットの世界は恐ろしいな


このみんカラだって世界中の方々がその気になりゃ見られるのだ
…良く考えて情報やレビューや写真をアップしないとね


ちょっと考えさせられたな☆

我が職場には
華麗なる車歴のアルバイトくんがいる


確かに新車はないが
スカイライン／ランサー／インプレッサの３種は確実に押さえてきた


古いインプレッサを駆り
カーライフを満喫している
しかし…『古い』のがポイントである


決して無茶な運転はしないし
サーキットにも行かない
オイル交換のがサイクルは
私なんかよりはるかにきちんとしている


だが…『古い』ゆえに様々なトラブルが出ているのだ
サスペンションはギコギコ音が凄い
エンジンはなにやらオイルが滲んでいるとか…


ミッション系も異音がするようになり
何か怪しいらしい


それでも彼は数十万かけて直した
普通なら乗り換えを考えるレベルであろう…


私はワザと言う
その額ならもうちょい年式の高い同じ車買えるんじゃね？


と…


それでも彼は
いや！こいつだからいいんすよ！！
と笑いながら言う


そんなある日
オレ…アクアにしようかなって
思う…んすよ


は？え？何！？アクアだと！？
気は確かかね？運動は苦手でも
スポーツカーが好きだった彼から
まさか全くの対極に位置する車種が出てくるとは夢にも思わなかった


な なんでアクアなんだね？


…ん～やっぱ燃費っすよ…維持費がね
それにやっぱり修理とかも


古い車を所有するには様々な条件をクリアせねばなるまい
ただこの車が好き！だけでは維持は出来ない…


整備工場やパーツ屋さんなどに顔が利くとか…同じ車を持つ方々と交流があるとか
自らパーツを自作できるとか


ましてや彼のはガッチガチのスポーツ
何人の手を経て彼の元にやって来たのかわからない…
きちんと管理していたのか…
スポーツカーは丈夫に出来ているのを良い事に…ズボラ管理だったのか


いずれにせよ年式も年式であり
保守管理にかなり気を使うはずだ
彼にはその人脈はないし
自らパーツを作るのも難しいだろう


近隣のショップの人とは顔見知りにはなっているらしいが…


これまでかなりお金を費やしたはずだ
低年式で格安で購入したのだが
えてしてこの手の車は
のちのち費用がかさむ…


ついに維持するのが苦痛になっているきたのだな
大変だ大変だと笑いながら維持している内はいいが…


苦痛になってくるようではマズい


アクアって言っても安くはないだろ？
人気車種だし まだ初代型を販売している上 最近ようやくマイナーチェンジして商品力を上げてきた！
プリウスは代替わりしているから
２代目は安く買えるだろうが…


ただ…ハイブリッドゆえに電装部品がどうなのか…電池とか
安いからと飛び付いてすぐに故障ってなったら悲劇である


アルバイトくんは悩んでいる
今の車を次の車検まで乗るのか
思いきって…低燃費の車にするか…