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暇人ぶぅのブログ一覧

2021年12月31日 イイね!

ネアンデルタール人から学ぶ

 ・ネアンデルタール人と現代人という新書を読んでいるが、詳しすぎてやや混乱するが大筋はとても刺激的だ。二本立てになっていて、一つはネアンデルタール人とクロマニヨン人(ホモサピエンス)の競合の部分と、さらに前の猿人からの分岐の部分になる。華奢型猿人の中の一部がホモハリビスとか大きなネアンデルタール人やクロマニヨン人の祖先にあたるそうだが、他の系統はすべて絶えていて、現生種で分岐が近いのはご存じのようにチンパンジー・オラウータン・ゴリラだけになる。
  ネアンデルタール人とクロマニヨン人の分岐が特に一つの章(というか大半)を占めるのは、結局最後かつ直近のヒト科の選別が行われたのがそこである点、ヨーロッパで最初に見つかって人類種の進化の大きな注目的(特に人種との関連)が集まっていた点、単純に比較すれば近い年代なので物証が豊富だった点がある。そもそもネアンデルタール人とクロマニヨン人が違う種であるという部分から以前は分からなかった訳だが、簡単に言えばアフリカのホモハリビスの中の一群が各地に進出して地域で適応しており、その中のヨーロッパ周辺の第一次出アフリカがネアンデルタール人(あるいはそれ以外があったのかも知れないが)、第二次出アフリカがクロマニヨン人だそうだ。
  ここで以前から話題になるのは「ネアンデルタール人は何故滅んだのか」であろう。良く「クロマニヨン人によって滅ぼされた」説があったのだが、両者は耐寒性の差から実はニッチ(生物的生存空間)が違って、同じ洞窟から両者の遺跡が時代違いで出土してたりもする。しかし、ネアンデルタール人の文化文明は石器の質や製法、それによって二次的に加工される骨加工品(釣り針や縫い針)、あるいは素材の収拾範囲から予想される文化圏の交易流通などが劣った。クロマニヨン人はまだ南方系の遺伝子が強く寒冷対応は種としては弱かったが、漁猟による寒冷地での食物獲得や衣服と言った寒冷地対策によって、生物的にはネアンデルタール人より弱かったにも関わらず次第に交代していったようだ。
  中で面白い解説だったのは、このように文化文明面での差での生存率の差がほんのわずか2%あっただけでも1000年とか考古学年代の中ではわずかな時間で片方が勝手に滅んでしまうのだそうだ。まあそれは資源競争と言えなくも無いのだが。両者の間での交流というか通婚に関しては筆者は懐疑的で、交雑があったかも知れない痕跡はあるが、その子が集団に受け入れられなかったのではないかと述べている。ただ、それはネアンデルタール的な外観を残した発現型の場合であり、クロマニヨン型の見た目の子もいたんじゃないかなとも思う。
  他には芸術面、クロマニヨン人は芸術が明確にあり、洞窟画は遊びではなく情報伝達であり、つまり認知能力の高さでもあると述べている。ネアンデルタール人はそういう痕跡は薄い(埋葬文化があったともされているが、宗教的な物は無かったのではないかとも)。現在、文化芸術面でセンシティブな人達が人類種の中で保存的な立場かは大いに疑いはあるし、じゃあ数学者と絵師のどちらが認知機能が高いのかトータルでは分からないと思うが、短期的な経済メリットだけでどちらかを優先するのは間違いかも知れないとは教えてくれる。
  交易の広さの間接的要因として言語説も出ていた。ネアンデルタール人がどの程度の言語コミュニケーションが出来たか不明だが、クロマニヨン人より劣ったと言う見解の方が多数だ。言語は他地域間交流面でも世代間伝達でも大きな役割を果たしたと思われている。つまり、ネアンデルタール人はあちこちに小さい集団が沢山いたけど、それらは細かい集団でしかなかった。クロマニヨン人は小さい集団が蓄積して大きなクロマニヨンのグループと捉えられる。逆に言うとクロマニヨン人は均質化していくとも言える。そもそも他の動物であれば分布は環境要因と移動能力で狭められるのだが、ヒト科は広域に移動して定住している点が特殊だ。
  これでちょっと思い出したのだが最近はまってるアニメで「異世界転生」というのがあって、転生ファンタジー物なのだが、中にミグルディア族というのが出てくる。コミニケーションをテレパシーで行えるようになった設定で、一応言語も使えるがより深く簡易に情報が伝達出来る。普通、そのような優秀な種が出来れば生存競争において有利に働き、結果的に生態系で有意な立場になって独占的になっていく物である。多様性が消えてしまうとも言える。劇中そういう事はなく、いろんな知性生命体が出てくるのだが(ファンタジーってそういう物だが)、この種族は非常に長命のようで、同時に繁殖力も低いようだった(意図的なのが結果的なのか不明。)。
  これは「死の獲得」という点でも重要なのだが、死なないで長命化するのは短期的に見れば不利になる。つうか簡単に繁殖して若い世代がどんどん生まれた方が良いという事だ。現代の日本とかまあそこらへん死が遠くなった事の弊害出てるかもな。一方で長命化する事で知識の伝達や環境変化で個体数が派手に増減する事も避けられる。若年期が相対的に長くなることで得られる知識も多くなる。私は人間が成人するまで軽く15年以上かかる事は生物としてかなり欠点だと思っていたが、15年かけないと文化文明を受け入れられないというか、生物的に柔軟性があって吸収できる期間の延長であると考える事も出来るのだ。なんなら現在のモラトリアムの延長とかニートとか言われるのも幼児状態を長く長く必要とするようになったとも捉えられる。
  話戻すと、ファンタジー小説で高性能な人類種が仮にいたとして、それが生態系の独占をしないためには「そいつらは繁殖力が低い」という設定が生物学的には整合性があるという事である。

  書きたい事は書いたので、あとはファンタジー関係の考察の駄文。よくトールキンファンタジーと呼ばれるような系統(ドラクエとかも実はその文脈にある)の場合、複数の知性体が登場する。たとえばゴブリン・オーク・トロール・エルフ・人類・ホビットなどなどだ。これがスターウォーズみたいなSFなら惑星間での違いと片付けられる(問題は後述)。一方一つの生態系で同じニッチに複数の種が存在したり、またその種が後から競合絶滅させた場所に再び戻る進化は起きづらい(つまりイルカは中間的なトドみたいな形があったとしても、今のイルカが再び競合して滅ぼした兄弟種の位置には戻らない、という意味)(まあ環境要因とかで先祖返りしない事もないと思うけど)。
  そうすると、それらの知性体はつい最近分岐して生存競争中の存在という事になる。つまりエルフも人間もドワーフもゴブリンもオークも、遺伝的にはほっとんど同じだったという可能性だ。実際、交雑種もそれらでは存在するという設定だからほぼ間違いないだろう。どの種も実は数万年オーダー程度の近隣種に過ぎない。それらが個別的に進化してきたが、自然環境の変化、まあ人類で言えば氷河期と間氷期なんかで同じ地域に進出して軋轢をおこしてるとかそんなんじゃないかと。
  一方でこれらのニッチ説は農業による自らの家畜化が行われるようになると当てはまりづらくなる。言ってみれば農業は自然の摂理からの大いなる逸脱を意味する。もし農業技術獲得段階まで進んだ時に種が分化したとしたらそれらが独自にそれぞれの地域で進化する事は可能とも言える。と同時にこれは再びであったとき(人類の移動能力からするとありうる事だ)悲劇になる。その例が大航海時代の植民地での現地民狩りだ。たとえばオーストラリア大陸にはアボリジニーがいた訳だが、植民したイギリス人などは家畜を襲うとしてアボリジニーを退治駆除していた。同様な事が北米でもあった。
  そう考えるとファンタジー世界の闘争はいきなりきな臭い物になってくる。魔物とか言ってるがありゃ相互に近縁の地域集団が争ってるだけとなる。現実世界で言えば人種闘争に近い。たまたま片方から見ればもう片方は魔族サイドになる訳だが、別に全く違う存在ではないのである。

 ・SFのスペースオペラ的なのも考えて見よう。よく犬っぽい宇宙人とかトカゲっぽいのとか出てくるが、まあ最初の時点で「他地域同時進化説」的な発生から何からオリジナルの場合に同時代に狭い範囲で発生程度が同じような宇宙人が複数いるってのは確率論として無い、とされている。もし可能なら地球にも異星人が来ていないとおかしい。とすると、パンスペルミア説的な生命の由来の星がどこかにあって、いろんな所にそれが飛来して生命になっているという事になる。この説は人類史で言ってみれば「ホモサピエンスがアフリカから各地に散らばりました」ってのと同じである。いや、人類史の場合はその前に他地域同時進化説というのもあって第一次出アフリカのホモハリビスが各地にいってそこで現地人の祖先になったという物である。たとえばソロ原人とかジャワ原人が中国人になって、ネアンデルタール人がヨーロッパ人になって、みたいな説だ。
  大きく異なるのは惑星が違う場合は相互に行き交うために最低「惑星間航行技術」、スペースオペラなら恒星間航行」まで文明科学が進んでいる必要があるため、当然農業なんかの段階はとっくに過ぎているのだから、ニッチによる自然絶滅は考えないでいいのである。逆に言うと恐らくどの惑星も知的生命体の多様性は少なく、○○星人と言った場合は一つになるのだと思う。よほど隔絶した大陸とかあれば複数の種がいるかも知れないけどね。
Posted at 2021/12/31 04:17:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2021年12月13日 イイね!

会議は踊る

 ・タオルストッカーを買った。ダイソーのアイデア商品で、上から入れると下のスリットからティッシュみたいに引き出せるので「上入れ下出し」が出来る優れもの。これ同じ原理で下着ストッカーにもならんかな。いや、ちゃんと畳んでタンスに入れればいいんだろうけど。

 ・今日はとある公的機関から電話が来て、まあ親がなんかまたよからぬ事をはじめたのを知ったのだが、どうも電話内容の意味が分からない。相手は事務的に言ってるようだが、あまりに意味不明な手続きで「なんだこれ」となりつつ聞いていると、どうも親の電話番号の欄に私の電話番号が書いてあった模様。あー、てか、これほんと色々問題だよ!個人情報ダダ漏れ、相手の確認の不徹底、なにより書式すらまともに読めない人間でも公的機関は取り合わないといけない。一応、誤解があるようなのを伝えたら相手も間違いに気がついて一気にムードが変わって「認知症親のクソムーブくたばれ」みたいな話にはなったんだけど、今改めて考えて見ると本人確認ちゃんとやんないで電話よこした公的機関の情報管理のザルさはどうなんと。これ、明日ちょっとクレームせんといかんな。

 ・仕事は寒くなるので藁撒いてたけど、終わらなかった。まあ一昨年よりは順調にやれてると思うけど。剪定もやってるが、枝が弱い所と強い所の落差がすごい。

 ・昼間は会議があった。この時間にあるのはこの品目はオフシーズンなんで(農業全般、今はほとんどがオフだが)会議の後に懇親会があるから。私はパス。マスク無くして買ってたら遅れた。内容はまあ役員関係の問題でちょっと長引いたが機材関係の話は終わった。トータルだとまあ誰も損はしてないと思うけど、当然ちょっと考えると無料の見積もり出したあそこはどうなってんのって話ではある。にしても今年見えた課題はかなり根深い。面積に対してのロスが大きすぎて経費と手間の割りに収量がなかった。一応品種面である提案をもらったのでそれやってみる予定だけど、品種だけの問題ではないと思ってる。うーん、クリーニングクロップを夏場もやってみるか??自分の所有地ならそれでもいいんだろうけど、うーん。

 ・会議と言えばMGS5に出てくるラマーハーテ宮殿、アフガンにちゃんとモデルになった宮殿があった。ダルラマン宮殿と言ってなんと1920年代に作られた国会議事堂を目指した物だったそうだ。当時の国王が近代化を目指して作ったそうで、要は欧米列強から植民地の標的にされないように近代国家の要件をそろえるべく作って生活も欧米化させようとした。
  それが急激すぎたのと、あそこらへんの後進性でもって宗教界が猛反発で失脚亡命、そこからずっと内乱続いていた。宮殿は何度も放火などで焼けては再建されていたが、ゲーム内のようにボロッボロにされたのはやはりソ連侵攻。それが酷すぎてわざわざもう修復する価値がなくなって放置されてる。周辺に土地だけはあるので今は向かいに国家機関の建物は出来てるらしいが。
  失敗国家あるあるは「内戦(民族紛争)」「宗教(共産化)」「植民地(他国干渉)」なんだろうけど、やはり内在的な心理とかも大きくて、一度崩れたらその影響は何十年も続くんだなって感じる。

 ・最近は漫画作品が本当に本当に多くて、登場人物の名前なんて一つも覚えてない。作品掲載のレベルが下がってるかと言うとそんな事はなく、純粋にクオリティーやアイデアはかなり高いと感じる物も多いのだが、一方でこれだけ乱立すると連載を「続ける」事が厳しくなっている。すぐ消えてしまうというか、掴みはオッケー、終わり方は?みたいな。組み立て方が終わりからではなく、ほんと最初から作って大雑把に終わりを目指して進んでいく感じなんだと思う。昔はちゃんと終わらない物語は竜頭蛇尾で嫌いだったのだが、これだけそういうスタイルになるともうイントロはイントロで評価するべきなのかなとも思う。ファストファッションというか、もう別なんだろうと。1分30秒のアニソンと60分の交響曲を同じ音楽だから並べるのは楽器が仮に同じでも無理なんじゃないかと。
Posted at 2021/12/14 04:30:10 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2021年12月10日 イイね!

B29の爆撃の謎

 ・ネットで第二次大戦中の日本への空襲の情報で知らなかったのが出ていて、あれーそうだったんだー、と思ったのと同時に、言われている事って本当なんだろうか?という疑問をもったので考察してみた。それは各地に点々とある謎の小規模爆撃。なんか時期的に分かってなかったので調べ直してみたが、当然だが1944年頃からのが多い。というかB29の戦略的効果は改めて調べると実情はイメージとかけ離れている事が分かった。
  まずB29の高々度性能は確かに日本軍による迎撃を困難にしていたし、航続距離が長く遠方から飛来するのも脅威で、日本の低いレーダー性能もあり初期は迎撃準備も困難にしていた。が、被害をおさえるための高々度からの夜間のレーダー爆撃は命中精度がはなはだ低く44年6月からしばらくはほとんどロクな戦果を出していない。いたずらに損耗し、対策を立てられ、撃墜機や故障機から最新情報を取られている(そのうちの一つはシベリアでソ連にろかくされ後にデッドコピーまでされている)。これら初期のB29は中華民国の基地から飛来しているので攻撃範囲は九州などが多い。
  後に被害を抑えつつ昼間に目視爆撃をするため高々度昼間爆撃が実施されるようになったが、命中率はわずかに向上しつつ日本軍の迎撃が無くなって安全になった。ただ、命中してもそこまで長い事操業停止には追い込めない事から、軍需施設への爆撃ではなく無差別爆撃、しかも家屋を狙った焼夷弾による物が画策されるようになった。アメリカ軍が実物大の日本家屋を建築して焼夷弾攻撃を試したのは有名だが、実は中国方面では日本軍支配下の都市への焼夷弾攻撃で無差別爆撃をやってもいた。
  で、これまでの結果が悪かったので日本方面の担当のハンセンという軍人が更迭され、中国で無差別爆撃やってたルメイがやってきて低高度の無差別爆撃をやったのが東京大空襲になる。これは夜間だったが、低高度であればレーダー爆撃も精度が高く焼夷弾攻撃が成功してからは火災でさらに攻撃目標が判別出来た。そして焼夷弾による爆撃そのものにくわえ火災旋風がおきて甚大な被害になったわけだ。東京大空襲はその走りで45年3月であるから、それ以前の空襲は基本的には「高々度精密爆撃」であり「無差別焼夷弾攻撃」ではなかった。ただ焼夷弾自体は名古屋への空襲でも使われている。
  また44年7月頃からサイパン、テニアンなど南方の島々が米軍に攻略されB29の基地が建設されて名古屋などは頻繁に攻撃を受けている。硫黄島は確かに直近のB29の基地になったしまだ滑走路など残っているそうだが、あそこは不時着できる場所という話で、硫黄島からB29が爆撃のために飛んでいった訳ではないみたい。
  さて、上の話から各地の爆撃や偵察について考えて見たい。実はB29は当初は言われているほど高々度を飛んでいた訳ではなかった。1万メールの高さを飛ぶのは燃料的にもかなりきつく、爆撃効果も低い。ただ爆弾や武装など外せば高々度は飛べるし、単独飛行だと昼間でも日本軍のレーダーで捕捉迎撃される事はまずなかった模様。という事で、当時あちこちにちょろちょろとある爆撃は「高々度偵察のついでにちょっとだけ積んだ爆弾を軍事目標に当たればいいな程度でばらまいた」のだと思われる。もちろん、軍事目標自体は把握していての結果なので、落とし残りやついでではないと思われる。ただ、落とし残りが全く無かった訳ではなく、千葉県松戸市はB29が離脱する時に投棄した爆弾の影響を受けたと言っているし不調機などもそうやって捨てる事もあったのだろう。というか、精密爆撃やってるって事は投下できないまま作戦時間が終わってしまうみたいな事もあったのかも知れない。でも、そういう投下は目標もへったくれもないので、第一目標に投下してから遠くにいって第二目標に残りを落とすような運用な多分なかったんじゃないかな?ちゃんと第一目標の破壊を目指したはずである。
  なんでくどくど書いてるのかと言うとB29のはるか以前にドーリトル空襲という日本本土への空襲はあり、またそれは日本軍も認識していた。これは米軍の初期の残存空母から発進した爆撃機が日本を横断した物で、おおよそ効果的な示威行為とはならず、むしろ破れかぶれの特攻に近かったし、中国大陸に抜けた時には夜間で着陸が出来ず落下傘で脱出するなど全機喪失している。しかし生存者は多く、民間人含め多大な被害を出している。だからB29以前に空襲はあったわけだ。また少数の偵察かねた攻撃はちょこちょこあったと見られる。
  
 ・その空襲だが、地元は地下基地建設があった。空襲を受けた名古屋の航空機会社が疎開してきたのだが、名古屋空襲が44年12月13日あたりからはじまり、45年の4月7日までに2700機以上のB29が14000tの爆弾を投下して名古屋は焦土と化している。その名古屋大空襲に先だって地元にも飛来して3月に爆撃をしている。単機で高々度飛来し、その時に撮影したであろう写真もあるし、その後の写真もある(時期は正直未詳だ)。謎なのはこの爆撃の目的で、まだ工場は着工前なので具体的な目標として疑われるのは今の富士通とか周辺の学校(軍事生産をしていた)、あるいは疎開してきていた名古屋の会社などがつめていた公共施設などになる。
  私は小学校の授業でその爆弾の破片を同級生が祖母から借りてきたのを見せてもらったのだが、その破片により損傷を受けた墓石もあるので「墓地に落ちた」と思っていた。そもそもなんで墓地に?と思った訳だが、考えて見ると高々度からの爆撃の精度がどのぐらいか知らない訳だ。なにしろB29も600kmぐらいで飛んでるので、毎秒200m近く移動しているし、高々度からは様々な外乱で爆弾はブレる。また同時に爆弾の被害半径も実は知らない事に気がついた。強固な軍事目標であれば直撃や至近弾でなければ効果は薄いはずだが、こういうソフトターゲット相手だとまた違う。ところが、爆弾の効果範囲はなかなか資料がなく、なんと出てきたのが第二次大戦時の国民に向けた空襲避難の手引きみたいな物だった。まあ当時の実情を示す点ではとても役に立つが今日はさらに威力が上がっているであろうとは思う。
  その前にB29が落とした爆弾はなんであろうか?って所から。当時から50kg、100kg、250kg、500kg、1tあたりの航空爆弾は使われていたようで(実際はポンドなので250kgではなく227kgとかそんな感じ)仮に1t爆弾を落としていったらかなり本気だったと思われるが、書いたように高々度飛来時は軽量化してたので1t爆弾積んでいたとは考えづらい。なんとなーく250kg爆弾ぐらいだろうなと思ってはいたが、それも根拠はなかった。まあ100kg爆弾は威力が低い事が当時からも指摘されているし、戦闘機が近接支援や護衛時におまけでもってく弁当みたいな位置づけで50kgも同じ。爆撃機が積むのは250kg以上という感じで、じゃあ250kgか500kgだろうとは考えられる。
  しかし、250kgにしろ500kgにしろ、私が考えていた以上に威力が高かった。墓地に落ちて墓石が欠けるなんてかわいい物ではすまなかった。250kgだと密集家屋に落ちれば3軒は木っ端みじんで全員即死、ひらけた場所でも半径35mは即死とある。45m半径は破片の加害半径で死亡するリスクが極めて高い。この破片の殺傷力はなんと最大200mと見積もられている。防空壕だと6mまでは即死、12m以上は安全とあり、さすが防空壕は防御効果が高い。
  500kgは別資料を引用されていたのだが、それによると爆風と破片と分けてあるが、破片の即死半径は40m、加害半径は250mとある。それほど増えてないように見えるが、これは参考資料が違うのでしょうがない。建物の場合は30m半径は全壊、60mは半壊、120m以上は安全とある。おおよそだが、200m範囲に爆撃されればそれなりのリスクがあったと取れる。そして当時のB29の爆撃の戦果判断だと300m範囲に着弾してれば有効弾(高々度だと16%ぐらいしかあたらない)、高精度爆撃が出来たと言ってるケースは100m範囲に着弾している場合のようだ。だから周囲300mぐらいになんぞあれば、それ狙った可能性は十分にある。
  とは書いたが大きな謎は「爆撃の直接的な被害は軽微」「むしろ被害が軽すぎない」って部分と、逆に学校のガラスが全部割れたって話である。これ、直線距離だと地図上で1100mぐらい離れている。ガラスが割れる半径なんて資料がなかったのだが、そんな遠くまで衝撃が届くものなのか?という疑問が残る。それらから私が考えたのは「使われたのは信管を使った空中炸裂型の爆弾だったのではないか?」という事。硬い目標相手なら遅延信管で内部に入ってから爆発させたりした方が効果は高いが、ソフトスキン相手で焼夷弾による密集地爆撃も効果が期待出来ないなら、空中で爆発させた方が効果が高い。それを試していたのではないか?というのが一つ。
  もう一つは心理的な効果や一種の示威、あるいは威力偵察的ななにかを引き出すための爆撃だった可能性かな。ああ、長くなって疲れた。
Posted at 2021/12/11 00:10:43 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2021年12月09日 イイね!

オフシーズン

  ・シーズンオフになってからなんか抜け殻になってしまって毎日ダラダラしている。ここ3日は季節外れの雨で家に閉じこもっていたから尚更だ。改善活動とかいろんな機材の片付けとか少量だが精算しなきゃいけない物とか漬物とかあるんだけどな。特に天気が悪くて日が短いとほんとやる気がおきない。

 ・スピーカーが届いた。これでどう遊ぼうか考えている。まあサンバーのスピーカーの交代させる予定なんだけど、じゃあ空いたものの活用先も欲しいしね。もっとも音が気に入らなくて交代させたユニットを再利用するのもどうかと思うけど。フォステックスP1000Kは前は特にエンクロージャーの宣伝は入ってなかったと思うけど、今回はかんすぴの宣伝ともう一つダブルバスレフの設計図まで入っていた。すごいなぁ、こんな小さいエンクロージャーでいいのか?って感じだ。
  さて本題、自作系で人気なのはバックロードホーンで、逆に「市販品にはほとんど無い(フォステックスは例外的に長岡氏の影響であるけど、他に知られているのはハセヒロぐらい)と言われている。一方私はフロントホーンの音がすごい好きなのである。だからダブルホーンをワンウェイフルレンジ一発で作ったらいいんじゃないの?ってのは常々思っていた。参考に検索していたら、なんと市販品でダブルホーンの同軸の製品があった。タンノイのウェストミンスターとかそこらへんである。ほーん、あれそうだったんだぁと思ったのは、なんと高校の音楽室にはこれが置いてあったのだ。再生されたのを聞いたのは数回で、しかもあまり音についての印象がないんだが、まあ凄い備品だったんだなと今更びっくりした。あれ、公費でかえたんかな?誰かの寄付?
  さて、今のメインも実は自作バックロードでPCスピーカーとして使ってるので正直音質云々はもう全く分からないのだが、改めて音楽音源聞いて思ったのだが、低音がゴリゴリでは決してない。やっぱり30cm40cmのウーハーのゴリゴリ音には叶わない。やっぱり上品な低音で不足ではないが過剰には出来ないかな。ただ聞いていて疲れないのは美点かな。まあPCのプリアンプがどの程度の音質のチップなのか考えると元からどの程度の音質なのかって気もする。
Posted at 2021/12/09 04:47:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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「[整備] #その他 脱穀機のエンジンオイル交換 https://minkara.carview.co.jp/userid/217764/car/636308/6573958/note.aspx
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