毎度の事ではありますが、長い休みもあと2日となりました。
今回の休みは天候に恵まれずに家で過ごす時間が多かったのですが、録画してあった「あなたの番です」というドラマを夢中で1話から16話まで一気に観たり、徹底してインドア生活に終始した感があります。私や義母などはちょこちょこ近所に出掛けたりするのですが、妻と姪などは「この休み中に何歩歩いた?」と聞きたくなるほどの引き籠りっぷりでありました。
が、私は冷房に弱いようで見事に風邪をひき、医院に出向く程ではないので売薬を求めに薬屋さんに行く事にしました。そこで思えばこの連休中はほとんど車を使わなかった事もあり、給油も兼ねて往復1時間程度の上野まで車を走らせてきました。
何となく独りで自分と向き合う時間を作る時はジャガーに乗りたくなります。
それはステアリングを切る、アクセルを踏んで加速する、ブレーキを踏んで減速するなどの一連の動作が求められるのは他の車と同様なのですが、そのタッチというかフィールは単なる移動の為の作業ではなく、自動車と言うオーケストラのコンダクターになったような悦びを感じるのです。
よくワインの世界では「〇〇年の〇〇は当たり年」というように過去のワインが称賛される事をしばしば耳にします。それに似てジャガーと言う車も以前の12気筒を筆頭に、新車当時よりも豊潤さを増した味が出てくるという事を実感しています。工業製品としての車は最新モデルが最良という考え方は私も賛成しますが、どんなに時代が変わってもジャガーと言うメーカーが工芸品としての価値観を忘れなかった事はいかにも英国らしいと思うのです。
その点フライングスパーなどは視覚的な部分こそ典雅な英国趣味ではありますが、そのタッチやフィールから古典的なブリティッシュよりもゲルマンの血を意識する部分は好みが分かれるところです。XJよりフライングスパーのほうが気難しさは少ないという好意的な見方も出来ますが、私にとって飽きないのはジャガーであったのでした。
銀座の会員制高級クラブの中で創業50年というお店があります。私も一度だけ足を踏み入れた事がありますが、その店を作家の北方謙三氏をして「どこか男の道場に入っていくような気分に襲われてしまうのだ」と評されていて、くつろげる場でありながらも男の試金石のような凄いお店でありました。この辺はただただ「ウェ~イ」と能天気に騒げる六本木のクラブとは全く異なるように思います。
私がこのXJに乗り始めたのが35歳の時で、それから13年が経って48歳の今になってこの車が板に付いて来たかなと自負出来るようになりました。単にドライビングプレジャーやステイタス性を求めるならもっと優秀な車はいくらでも存在すると思いますが、そのドライバーに立ち居振る舞いまでを求めて来る車はそうそう存在しないというのが最近の印象であります。それを「男の修行」と表現したら言い過ぎでしょうか。
そんな悦に浸るドライブ中に連休で1000歩に満たない歩数であろう家人から電話があり、「帰りにペットボトルの水とお茶、猫の御飯とおやつも買ってきて」ときたものです。
そんな所帯じみた買い物に出掛ける際でも、この車と過ごす芳醇な時間は良いものです(笑)
あ~それにしても喉がイガイガする…
Posted at 2019/08/16 18:27:36 | |
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