早いもので本当に色々あった2021年も11月に突入しました。
公私共に今年は様々な出来事が多すぎて「光陰矢のごとし」だった訳ですが、考えてみると大騒ぎの末に終わったアメリカの大統領選挙からも丁度一年が経ちました。
私的にはアメリカでも日本でも民主党政権というものにはあまり良い印象を持っておりませんが、今年に入ってからアメリカ大統領の動きというものが以前ほど報道されていないように思うのです。それは極端に自己顕示欲の強かったトランプ氏に比べるとバイデン氏は控え目な印象もありますが、政治家にとって発信力というのは非常に重要な要素だと思うので、これはあまり良い傾向に思えないのも事実です。
例えば我が国でも前の菅総理、公約や職務に関しては確実に果たしていたように思いますが、その分発信力の無さを再三指摘されたのは記憶に新しいところです。またコロナ禍という時期もまずかったようで、国民の鬱憤が一気に向いてしまった事も重なっていたのでしょう。まあ医療体制の遅れはその前の安倍総理の責任のほうが重いと思いますが…
で、トランプ氏ですが、彼の行動原理は単純にアメリカファーストという事が念頭にあり、良くも悪くも分かり易さという点に於いては誰よりも明確だったように思います。その姿は少し前のアメリカ人男性のステレオタイプそのものであり、私など70年代のアメリカ映画が好きな者にはどこか親しみを感じる部分もあります。
しかしこの典型的な〇〇人という姿は、国際化の進む社会の中では明らかに取り残されたタイプであり、それは最近のビジネスマンが昔のようなナショナルカラーを持たなくなった世の中ではむしろネガな要素なのかも知れません。
私自身は対外的には今の時代の人間を演じてはいるものの、こうした典型的な〇〇人というものに強いシンパシィを覚える人間であります。あまりにも無国籍な人と話していても、AIと会話しているかのような違和感を感じます。
で、本日の本題になるのですが…
先週、某ドイツメーカーのEセグメントセダンを丸一日足にしていたのですが、その時のお話になります。
この車は後輪駆動ベースの四駆で、V6のガソリンエンジンを搭載した1000万円近くのモデルだったと思います。街中のみならず空いた首都高などの様々な場面を走る機会がありましたが、普通に考えればものすごく高い完成度であるにも関わらずに「今、自分が何に乗っているか」という認識が希薄な部分があり、具体的に言えば「最近のクラウンとあまり差が無い」という感想を持ちました。
その昔、このメーカーの車に乗った時の印象は、その完成度や志の高さに「これが世界か」と日本車との次元の違いを感じて、それは「自分が何に乗っているか」を良い意味で意識する機械としての素晴らしさに感動したものです。
と言うと「それは日本車(クラウン)のレベルが上がっただけじゃん」と感じる方も多いと思いますが、これは決して違います。色々比較すれば依然として走りの部分では輸入車にアドバンスがあるのは事実で、これはメカの優劣ではなくナショナルカラーが希薄になった結果ではないかと感じました。
正直なところ、今現在販売されているどの車も機械としては極めて優秀なものばかりです。が、自分にとって大切なのはそうしたハードの部分ではなく、速さでもなく、安全装備でもなく「自分が何に乗っているか」を楽しめる車なのだろうという結論に達しました。
例えば現行モデルのジャガーですが、丸目4灯を愛する私としては現在のスタイルはやはり好きになれません。しかし一度走り出すとヒタヒタと走るジャガーの美点は微塵も失われておらず、常にジャガーを意識させる味は健在です。
ポルシェの2ドアモデルも然りで、その無駄なく次の動作に移れる速さは見事で、依然としてスポーツカーのベンチマークここにありを感じます。
少しカテゴリーは違いますが、少し前のアメリカ車にも鷹揚でソフトな走りには魅力がありますし、ドライバーの五感に対して饒舌に楽しさを語りかけるイタリア車も然り、少し難解ですが哲学的なフランス車もまたクセになる部分を持っています。
こうしたナショナルカラーが今後EVになった時に演出されるかは謎ですが、件のドイツ製セダンもステアリングのエンブレム以外にその車種を意識出来ないというのは寂しい限りではないでしょうか。
詰まる所で自分自身が気に入るものは、世間一般の評価基準とは乖離したところにあり、味があるものであれば多少の事には目を瞑るという感じでしょうか。そうなると少し前のモデルばかりが気になるのは当然の流れと言えます。
自分の車の話題としては、この前の土曜日にジャガーのエンジンオイルを交換しました。オイルの違いは結構分かりやすく出るもので、今回のものは特に低速域のスムーズさが増しているので、私の使用条件にはマッチしているものと思われます。
交換後にテストを兼ねて自宅から新宿までの往復という短距離ではありますが、単純に「車を走らせる」だけのドライブを久々に楽しめました。
帰りには何となく地元の氏神様であります七社神社に寄りましたが、七五三の参拝客を多く見掛けました。因みにウチの奥さんも七五三はこちらだったそうです。
話を元に戻して、何故このジャガーを溺愛するかと言えば、そのビジュアル部分のみならず車に触れた時のタッチが人間の五感にとても心地良いところにあります。
それはドアの開閉に始まり、エンジンを掛ける~ステアリングを切る~加減速、何かのスイッチに触れるという基本動作が気持ち良いのです。更にエアサスペンションの演出する優しい乗り心地は、今の季節ならば落ち葉を踏んだ時に何の葉だったのかを想像したくなる気分にさせてくれます。こんな車は他にありません。
いよいよ年末が近づいて、私の一年で一番好きな時期になりました。
そんな素敵な季節を走る時に寄り添ってくれて16年目を迎えます。その存在は更に唯一無二の存在となっています。
Posted at 2021/11/23 17:14:45 | |
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