BNR32に乗り、サーキットに通いはじめて、もう丸2年以上経過するのですが、それでも未だに悩んでいることがあります・・・。
それは、タイトルのとおり、「BNR32のアテーサE-TSとリア機械式LSDの関係」についてです。
アテーサE-TSは、前後タイヤの回転差や縦/横Gをパラメータとして、トランスファーに内蔵される湿式多板クラッチを油圧で制御し、前輪へのトルク伝達を制御する仕組みになっている、というのは良く知られていることだと思います。
このアテーサE-TSは、普通に運転するだけでもその効果は素晴らしいものがあります。しかし、私がBNR32で、タイヤグリップを目一杯使った、限界ギリギリの走りをすると、タイトコーナー立ち上がりなどで、どうしてもリアのイン側タイヤが派手に空転してしまいます>_<
もしこれがFR駆動形式であれば、この空転を抑える為に、コントロール性の良い機械式LSDなどを装着することでリアタイヤの空転を抑え、トラクションとコントロール性を向上させるのが一般的だと思います。
ところが、BNR32でこのリア内輪の空転対策を考える場合、話はそう単純でもない気がします。
アテーサE-TSは、先に書いた通り、フロントへのトルク配分を決定する上で、「前後タイヤの回転差」「縦G」「横G」をパラメータとしており、特に「前後タイヤの回転差」が最も効いてくるそうです。
このような特性のだと、もしBNR32のリアに強力なロック率の機械式LSDを装着した場合、リアの内輪が空転しづらくなり、前後タイヤの回転差が減少、すなわちフロントトルク配分が減少する可能性が高いと考えられます。
整理すると、
①純正機械式LSD(ロック率が低い)
⇒ リア内輪が空転する代わりに、大きなフロントトルクで加速する
②社外機械式LSD(ロック率が高い)
⇒ リア内輪の空転を抑える代わりに、小さいフロントトルクで加速する
の2つのケースがあるのではないかと考えています。
トラクションのみを考えた場合、
①は、フロントトラクションが大きく、リアトラクションは小さい
②は、フロントトラクションが小さく、リアトラクションは大きい
という傾向になるかと思います。
しかし、ここからもう一歩踏み込んで考えてみることにします。
例えば、①の場合について。
フロントトラクションが大きい、という事は、このトラクションがかかっている、すなわちアクセル踏んで加速しているときに、ハンドルきって操舵しようとすると、フロントタイヤは、トラクションとコーナリングフォースのそれぞれがグリップを奪い合い、結果的に、コーナリングフォースはトラクションに取られる分、使えるグリップが減少します。
また、リアトラクションが小さい、という事は、縦トラクションがかかりずらい代わりに、横方向のコーナリングフォースが多く使える(=リアの横G耐性が大きい、ただし、リア外側タイヤに限る)ことになります。
これって、アンダーステアな状態のことですよね?
そして、②の場合について。
①の反対のことなので、簡単にまとめますと、フロントはコーナリングフォースに使えるグリップが大きく、リアは横G耐性が小さい、すなわちオーバーステアな傾向になる。
一方、タイトコーナーなどで、ターンインするような場面では、LSDの違いによってどうなるのか。
アテーサE-TSは、ブレーキング時でも軽く機能して、前後タイヤの作動を制限する効果(リジットAWD効果)が在るのですが、この効果が、リアLSDのロック率の大小により、その影響が出るのか、出ないのか。
予想では、
①純正機械式LSD(ロック率が低い)
⇒ リア左右輪の回転差が大きく(オープンデフ傾向)、結果、前後タイヤの回転数差が大きい
⇒ アテーサE-TSの効きが強い
②社外機械式LSD(ロック率が高い)
⇒ リア左右輪のロック率が小さく(デフロック傾向)、結果、前後タイヤの回転数差が小さい
⇒ アテーサE-TSの効きが弱い
①は、アテーサE-TSの効きが強いので、FRから少し4WDに近づいた挙動となり、恐らくフロントが少し入りづらい特性だと思われます。
②は、アテーサE-TSの効きは弱いので、FRに近づいた挙動となりますが、リアLSDが突っ張る分だけ、恐らくフロントが入りづらい特性だと思われます。
以上が、私が今考え(感じ)ている、それぞれの基本特性なのですが、果たして、これがあっているのかどうか。
傾向についてはそれほどハズしていないと思うのですが、「どの程度」、「どう」なのか、アテーサのマップもデータも判らないので、流石に計算の使用もありません。
まぁ、もしデータが分かったところで、湿式多板クラッチのトルク伝達率やリアLSDのロック率なども関わってくるので、そう単純に数字で把握できるものでもないと思いますが^^;
また、一口に機械式LSDと言っても、イニシャルトルクや作動方式(1WAY、1.5WAY、2WAY)、純正強化品、素材がカーボンなど、多くのタイプがあります。
そして、私がターゲットとするのは阿讃サーキット。
ここを、こんなエンジン特性で純正機械式LSDで走っています。
明らかなトラクションロスを感じるのは、1コーナー立ち上がりのみ(リアのイン側タイヤが空転)、しかし一方で、M字~コーク~最終のテクニカル区間のターンインの遅さも、本当に何とか改善したいレベル・・・。
このような状況で、リア機械式LSDを考えた場合、果たして、強化すべきか、すべきでないのか・・・。
経験談、アドバイスなどありましたら、是非教えて頂けないでしょうか。ていうか、皆さん、こういう悩みって、ありませんでしたでしょうか?^^;
Posted at 2014/05/15 21:39:28 | |
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