クラゴン親方のブログ一覧

クルマのＥＶ化によって他業種の企業が参入すると言われております。ホントにそうなるのかは知りませんが。

みなさん相手は家電だと思ってるようですが、個人的にはカメラ屋が面白いと思います。

味といえばシャッター音。「カシャカシャカシャ」「シャコシャコシャコ」「バツバツバツ」「ベベベベベ」と機種によって違います。このチューニングは実はかなりこだわっているいそうで、やっぱり高いヤツほどいいです（笑）。

しかもプロはボディがガリガリになってしまうほどハードに使うそうですから、耐久性もいるし必要ならオーバーホールもできる。当然ですが精巧さもハンパではありません。さらに頼めばピント調整もやるし、シャッターの反応も現車セッティングしてくれるそうな。

カメラ雑誌を買うと、メーカーごとの新機種の比較をキッチリやってて、使いやすさから写りからわかるし、「画素数が上がったけどこのレンズじゃダメだ」くらいのことが書いてあったりするし、場合によってはかなりシビレることになるかもしれませんぜ。

極めて妄想段階の話ですが、専売特許がどこまで通用するかはやってみなきゃわかりませんぜ。

キャノンのクルマだったら、モーターはやっぱりＵＳＭか。ショック吸収は手ブレ補正ＩＳでバッチリ（笑）。

というキャッチがあったような、なかったような。

アレのついでに珍しく観光を敢行してきました。いろんなとこには行くんですが、ニュルもスパもルマンも結局レース、つまりぜんぶ仕事ですから。誰が何と言っても仕事です。

移動は電車とチャリンコ（レンタチャリ）、行き先もクルマ関係はゼロ。だけど大元の目的はクルマ関係でも一番大切なことだったりして、結局クルマ抜きにはなりません。

写真は二条城です。

ニュルのレースに出たときに、実際のところどんなセットアップをするのかというと、ほとんどしたことありません。

セットアップはメンテナンスしてるガレージを出てくる時点で出来てて当然です。微調整はあるにしても先に「コレもいいかも」とアタリを付けておいて、良ければ採用でなけりゃ不採用で終わり。いろんなパーツが転がっててアレもコレもと試す、なんてことはありません。

いや、なくはないけど、その時点でベースセットアップを外してるってことだから。ダメなのを普通にする作業であって、マシンを速くするセットアップとはちょっと違います。

そういうのはテストのときにやるもんです。レースウイークにやるもんじゃありません。

だから遅いチームほどサーキットに来てからの作業が多い。これは万国共通でしょう。

実はこのポルシェもちょっと気になるところはあったんだけど、「アレするとアレがいい反面、フロントがアレなだけどコレってどう？」と聞いたら、「それはウエット用にアレをアレしてるだけだから、ドライ路面になったら元にアレするからＯＫだよ」で終わり。

そこであーだこーだと指示を出してはいけません。向こうは地元でしかも本職ですから、セットアップを尊重してあげることも大切です。

そこでドライバーが納得いくまでやって「オレがセットアップして速くしてやったぜ」なんてのは自己満足。メカニックにはとーっても嫌われたあげく、「アイツが乗ると仕事ばっか増えて速くならねえ」とか言われてしまうんですよ。

こないだのＶＬＮでは練習はたったの３周、それも時間がないので急いで３周して終わり。セットアップしないと乗れないヤツはお呼びじゃありません。

アライメントとか細か～くセットアップしたところで、１周目にバキャッとぶつけたらそれで終わり。雨が降ったらやっぱりそれで終わり。そういうチマチマしたところに基づいた速さって、とっても頼りないもんです。

そして最後は気合いの問題です。変態クラスのＦ１ドライバーは、ぶつかってウイングが曲がったって必ずタイム出してきます。風洞上等。

いつだったかＦ１がタイヤ交換不可だった年に、まさにニュルでライコネンがブッ飛んだときは最高だった。フラットスポットの振動でサスアームがさやうならしてしまうくらいだから、走ってて前なんか見えてるわけない（笑）。ライコネンのベストレースです。

好きなセットアップで速いなんて当たり前だし、セットアップすれば何でもできると思うのがそもそもの間違いということで。そんなレベルでは親方仕事はできませんぜ。

アレ場所は満員御礼、ハイランドもあとひとりで、ありがたいことですのう。クラゴン部屋は東北応援でやってきますので、みなさん改めてよろしくお願い致します。


さて本題です。日本人が外国チームで乗ると「セットアップを変えてもらえない」という話がけっこうあります。

まず言葉ができないとか、日本人だから相手にされてないとか（笑）、イロイロあるとは思いますが、向こうに言わせりゃ、何も知らないガイジンが乗ってタイムを出せなくてブツブツ言ってるだけ。しかもブツブツすら通訳を通さないと言えないようでは、なかなか相手にされるのも難しいでしょう。

これは現地でヒシヒシと感じる厳しい現実というヤツです。

チームの想定タイムより遅かったら「もうちょっと走って慣れてね」で終わり。だからそうならないように何が何でもタイムを出す。コレしかありません。

セットアップを変えるにしてもタイムを出さないと説得力がありません。遅いヤツが意見をするなんてもってのほか。息を吸って吐くことしか許されず、マシンに触れるのは乗るときだけ。これがレースの世界です。ヒイイイイイ。

タイムが出ないからセットアップを変えて欲しいのに、タイムを出さないとセットアップしてもらえないとか意味不明だよなあ（笑）。行くも地獄、引くも地獄とはこのことですが、ニュルはもともと地獄の「Ｇｒｅｅｎ　Ｈｅｌｌ」ですから何も問題ございやせん。

マシンのセットアップじゃなくて、バリッとタイムを出して、頑固なドイツ野郎でも言うことを聞くようにセットアップしてやることが肝要です。

もう１枚、スパらしい写真です。

個人的には、森の中というのがポイント高いです（笑）。