さて、昨年の年末に飛び出したニュース。
ここに来て決着しましたね…
出光興産と昭和シェル石油の経営統合の話。
すでに、報道で発表されているので、詳細は省略(爆)
このブログでは、今後どのようになるかを予想してみたいです。
まずは、両者の生い立ちから簡単に…
出光興産
1911年に、北九州で出光佐三が、出光商会を立ち上げたのが由来。
タイムカードなし、定年なしなど、家族経営の独特な社風の会社でした…
長年、サントリーと並んで、非上場の大企業として知られましたが、現在は東証上場など、普通の会社になりつつあります。
そんな出光興産ですが、他の石油元売りが、合併をする中で、唯一どことも合併せず、外資ではなく、民族系で、今日まで単独で2位をキープしていられたのは、メチャメチャ凄い。
しかも、ベストセラー、海賊と呼ばれた男で紹介された、イランから戦後最初に輸入を実現した日章丸事件や、今日当たり前の無鉛ハイオクガソリンを世界で最初に販売したことのように、先進的な会社。
昭和シェル石油
1876年に、マーカス・ミシェルが日本で立ち上げた、マーカス・ミシェル商会が始まり。
もともとは、貝殻の装飾品を製造する会社でしたが、後に石油を取り扱うことに。
石油部門拡大により、1900年に石油部門を独立させたライジング・サン・ベトロリュウムが、シェル石油の始まり。
1985年に、昭和石油と合併して、昭和シェル石油となり、今日まで続きます。
この会社の親会社は、ロイヤル・ダッチ・シェルということで、イギリス及びオランダの外資の会社。
しかし、設立は日本ということで、外資でありながら、日本と深い縁がある会社。
フォーミュラ・シェル
シェル・ピューラ
V-Power
と言ったこだわりのハイオクガソリンを販売していることで有名。
この会社風土が全く違う両者が一緒になるのは、まさに異例。
それほど、石油業界は厳しいのでしょう…
そこで、今回注目したいのが、経営統合というところ。
経営統合や合併は、色んな形がありますが、この両者の場合は、吸収合併、対等合併など色んな形がありますが、今回は、出光によるシェル買収というところ。
出光が、ロイヤル・ダッチ・シェルが持つ株を買い取る点。
ということは、昭和シェル石油から、ロイヤル・ダッチ・シェルが経営権を出光に渡す格好。
ロイヤル・ダッチ・シェルが日本から撤退することを意味します。
ということは、今後シェル石油のホタテ貝のマークが使えなくなることを意味します。
しかし、報道でもあるように、暫くは、アポロ、シェルの両ブランドは使うということなので、直ぐにホタテ貝が消えることはありません。
しかし、暫くの間ですので、将来は使えなくなる可能性は高いです。
また、ロイヤル・ダッチ・シェルが手掛ける世界ブランドのハイオクガソリン「V-Power」も無くなる可能性もあります。
しかし、根強いシェルファンの反発もありますので、そこは慎重にするでしょう…
ちなみに、ブランドを暫く継続していく方法は、日本石油と三菱石油の合併と同じようです。
ということは、新たなブランドを立ち上げる可能性があります。
先程の日本石油と三菱石油も暫くブランドを継続させてから、エネオスという新ブランド立ちあげました。
しかし、両者長い歴史のあるブランド。そう簡単には捨てられないでしょう…
そこで考えられるのは、最近の会社合併に多い、ホールディングス制度。
出光、シェルの経営を統括するホールディングス会社を立ち上げ、そのグループに出光興産と昭和シェル石油が入る方法。
この方法では、経営は統合されますが、それぞれ子会社として存続するので、両ブランドは残されたまま存続することになります。
意味は少し違いますが、東燃ゼネラルがそうです。
経営は同じですが、モービル、エッソ、ゼネラルが残っています。
しかし、これには問題点。
エクソンモービルグループは、同じ会社のブランドでできる芸当ですが、出光とシェルは完全に商標が違います。
ロイヤル・ダッチ・シェルは日本から撤退してしまいますが、海外で会社は健在。
シェルブランド継続のために、商標をリースして、シェルブランドは継続利用できますが、そこまでする意味があるのかが疑問。
しかも現段階では、ホールディングス制度という話ではなく、出光がロイヤル・ダッチ・シェルの持つ株を買い取るので、その方法ではないのが現段階。
まぁその後どうなるかはわかりませんが(爆)
今回は、対等合併ではない点も重要です。
力関係は、旧新日石とJOMOが対等合併した場合のようではなく、出光がシェルよりも力を持っている合併ですので、おそらく出光カラーが強い会社になるのではないかと…
しかし、旧勢力も反発するので、内部闘争もありそう…
現に、現在のエネオスも、旧新日石と旧JOMOで派閥があるみたいだし、新日石でも、旧日石、旧三菱、旧九州石油と別れているみたいで、表には出ない内部闘争が少なからずあるようです(爆)
対等合併でそうですから、いくら出光の力が強くても、旧シェルの勢力を押さえるかどうかが鍵を握りそうです(爆)
さて、今回の経営統合、どうやるのか、ブランドはどうなるのか、両者の会社がどう変化すれのか、注目していきたいです。