サンタ・マリア・ノヴェッラのオーデコロン『ノスタルジア』。
SANTA MARIA NOVELLA Nostalgia 100ml
キャララホワイトの後期型ポルシェ996カレラ4S
初代水冷ポルシェ911、開発コードナンバー996には、『911の異端児』という言葉が相応しい。
だが、この言葉にはなぜか後ろ向きのマイナスなイメージがつきまとう。
私自身が自分の996を表現する時には911の異端児と何のはばかりもなく言う。ところが不思議なことに、他人にそう言われるとなんとなく傷つく思いがする。または少し悲しい気持ちがする。なぜだろうか。なんとなく911じゃないような、仲間はずれにされた疎外感を感じるからだろうか。後に残るのは、孤立感や孤独感だ。
そこで、他の言葉をいくつか考えてみた。
さて、どんな言葉があるだろうか。
・911の挑戦者
・911のチャレンジャー
・911の開拓者
・911のパイオニア
・911の冒険者
・911のエクスプローラ
果たしてどの言葉がもっとも相応しいのか。また、他に似つかわしい言葉はないのだろうか。
今のところ、その答えは出ていない。
最大の特徴は、ヘッドライトの涙目だろう。911の歴史において最初にして最後のデザイン。もう、未来永劫二度とあのようなデザインがなされることはないだろう。
一番大切なポルシェ911の肝は、フロントからのスタイルのイメージが不変であること。丸い目玉と太もものようなフェンダーラインがそれだ。
二つ目は、横から見たシルエット。
低いフロントから急激に立ち上がったフェンダーラインに、立ちぎみのフロントガラスの頂点からなだらかにリアへと流れくだるルーフライン。
最後はリアからの眺めだ。男子としての解釈にはもっと相応しい表現があることはさて置き、一般論として、しゃがんだカエルのような後ろ姿、としておこう。
これらさえ踏み外さなければ、後はいかに料理しようが切り刻もうが、911は911以外の何物でもない。
その点において、996は一番大切な丸い目玉を変えてしまい、過去の911とは埋めがたい溝を作ってしまった点に最大の問題がある。
ちなみに、前期型997のナローボディは見えるところ以外の内容的には、後期型996のマイナー・チェンジ版と位置づけられるが、996と比べた場合にどちらが空冷911のイメージに近いかは、一目瞭然である。
加工を施して丸い目玉になった後期型996カレラ4S
涙目の996と比べていかがだろうか。996の現役時代ならば、自動車評論家の方々は『これぞ911。我らの911が帰ってきた』と絶賛したことだろう。ところが不思議なことに、生産終了から10年の時がたち、現代の感覚で眺めてみると『やはり996は涙目でなければならなかったのだ。涙目になるべくしてなったのだ』と考え方が変わってくる思いがするのではないだろうか。加工した写真を眺めてみると、妙にヘッドライトの間隔が離れ過ぎていて、間抜けな顔つきに見えないだろうか。
ここで涙目に始まるちょっとした言葉遊びをしてみよう。
・涙目
・ティアドロップ・アイズ(Teardrop Eyes)
・流線形
・アール・デコ
・ストリームライン・モダン(Streamline)
・カッサンドルの北急行のポスター
最もインスピレーションを触発する言葉は、『流線形』。
この流線形というデザインは、アール・デコの時代には未来の象徴だった。
まさに996は、911のそしてポルシェの未来に果敢に挑戦したチャレンジャーであり、見事に未来をを切り開いたパイオニアにして、冒険を恐れぬ勇気あるエクスプローラだったのである。
そんな我が身を省みぬ気概を内に秘めたクルマだからこそ、私は911の中でも996がもっとも愛おしくてならないのだ。
ドライビング・グローブ、略してドラグロは鎌倉駅江ノ電側に降りてすぐにあった、手袋専門店マニマニで買ったもの。メーカーは『 Reynoids & Kent - Westbury.Wilts 』。MADE IN ENGLAND。サイズ表示は8。今回の旅のお供をつとめます。残念ながらマニマニは、女性オーナー店長の現役引退により数年前に閉店しました。おそらくこのメーカーのドライビング・グローブを、もう日本で買うことは出来ないでしょう。
トップおよび上の写真は、私がおもに911のドライブ時に愛用しているフレグランス。
サンタ・マリア・ノヴェッラのノスタルジア。
SANTA MARIA NOVELLA Nostalgia 100ml
2002年5月の世界最高峰のクラッシックカーレース「ミッレミリア」にあわせて発売。3つのユニークなコンセプトをもとに、車好きのための香りとしてクラッシックカーの香りを再現。ドライで力強い香りはユニセックスで人気。「タイヤの擦れたゴムのにおい」、「ツンと鼻をつくガソリンのにおい」、「クラシックカーのレザーシートのにおい」などを彷彿とさせます。発売当初は限定1500本発売で、私の所有しているフレグランスはシリアルナンバー807です。人気が沸騰して現在は定番商品となりました。今回、横浜までのグランド・ツーリングのお供をいたします。
ドイツのクルマ、ポルシェ911 40th アニバーサリーエディションと、イタリアのフレグランス、ノスタルジア、そして、イギリスのドライビング・グローブ。独・伊・英、三カ国による実にブリリアントなコラボレーションによる、グランドツーリングになることであろう。
関連情報:アール・デコ - Wikipedia
関連情報URL:http://ja.m.wikipedia.org/wiki/アール・デコ
関連情報:ストリームライン・モダン - Wikipedia
関連情報URL:http://ja.m.wikipedia.org/wiki/ストリームライン・モダン
関連情報:サンタマリアノヴェッラプロダクツ・オーデコロン
関連情報URL:http://www.santamarianovella.jp/4prodotti/view_new.php?cat=1&id=37&num=36
※ アール・デコ、流線形、ストリームライン・モダンの関連については、勉強不足のために、もっともらしく書いたフィクションです。真実だと思い、本気にしてはいけません。
ただ今、鑑識中の米沢守より